ゆきんこの徒然日記

日々の出来事や思ったことを日記にして書いています。エッセイも時々書きます。

エンジェル エンジェル エンジェル

小説の紹介です。
梨木香歩著「エンジェル エンジェル エンジェル」
 ストーリーのダイジェストです。


こうこ(孝子?)は高校生。
こうこは両親とお姉さんのようなお手伝いさんの4人暮らし。
こうこは、コーヒー依存症で情緒不安定な女の子です。
 ある日、叔父夫婦がアメリカに行くことになり、両親は祖母を引き取ることにする。
 で、5人暮らしになる。


 こうこは前から熱帯魚を飼いたいという希望を持っていた。
  母親は祖母の面倒を見る、という条件でしぶしぶそれを許すのだった。
 こうこは2匹のエンジェル・フィッシュと5匹のテトラ・フィッシュを買ってきて、念願の熱帯魚を家族に加えた生活を始める。
 こうこは兄弟がいない寂しさから、熱帯魚が欲しかったのだけど、彼女は引きこもりではない。
 学校では一つのグループを率いる遣り手の女の子だった。
 熱帯魚の飼育は、認知症の祖母によい影響を与えて、こうこ達の生活は純風満帆に思えた。
   ところが、その熱帯魚が思わぬ事件を起こしてしまう。


  最初、読み始めた時には、「西の魔女が死んだ」を思わせる中学生向きの小説かなと軽く思ったけど、どうして、どうして深いのです。


  この一家はクリスチャンで、こうこもミッションスクールに通う高校生。
  つまり、かなり敬虔なクリスチャンの家族なのです。
  生き物の生と死、など宗教観が絡んでいます。天使には悪魔を必要とするなど、難しいのです。


 「エンジェル・フィッシュ」は果たして「天使の魚」?
   悪魔は、こうこの心にも住んでいた。誰の心にでも住んでいるのです。


 でも何となく、心温まるハッピーエンドなので、安心して読めます。
西の魔女が死んだ」とはまるで違う大人向きの小説でした。
  お勧め度★★★★☆